電車のトラップ

下駄骨折

今まで気にも留めなかったことが
杖歩行になってはじめて気づくことがあります。

電車とホームの間にある隙間。

乗り込むときには気づかなかったのですが
降車するときにその隙間の幅に戸惑いました。

ホームの形や電車の型によっても違うのでしょうが
利用駅では電車の扉がホームよりやや高い位置にあり
電車の扉とホームの隙間がかなり空いています。

降車するときに私の苦手な『下り』になるのです。
真下に杖をおろすことはできないため
身体を前方に伸ばすようにして
杖を着地させなければなりません
バランスを崩しそうになるし、
誤って杖を隙間に落としてしまうのでは
と降りる都度ドキドキ。
最初のほうは片手で手すりを持って降車していました。

その時に思い出したのが何年か前に
父親がバギーに2歳ぐらいの女の子を載せていて
電車降車のときに扉の下にあるでっぱりに車輪が引っかかってしまい
バギーが前のめりになってしまいました。
先に降車した赤ちゃんを抱っこしていた母親が
「危ない、おちる」と切羽つまった声でさけんで
父親も焦ってました。
私の座っていた席からは後ろ姿しかみえず
バギーから落ちるのに何焦っているんだろうとボーっと眺めてました。
父親が前に回り込み女の子をしっかりと出来抱え、
バギーが後ろに倒れたことで全容がみえました。

バギーにのっていた子は固定ベルトをしていなく
前のめりになったバギーからずれ落ちはじめ
そのまま電車とホームの隙間に落ちそうになっていたのです。
母親の切羽詰まった叫びの意味を理解しました。

状況がつかめたときに
手助けできなくて申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
しかし、他の乗客も同じだったようで
母親と父親が焦っている姿をきょとんとした顔で
眺めてたのです。
他の方も『隙間』の危険性に気づいていないようでした。

改めて『隙間』を観察すると
3~4歳までの子供なら
すっぽり入ってしまいそうな幅の場所が
いくつもありました。

自分の生活圏でどんなに慣れていても
立場、状態がかわると
全く違った状況に変化すること
痛感させられました。

拙い文章を読んでいただきありがとうございました。


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